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産業医
増えています!大人の近視 – 原因と対策を知ろう
今回は近年増加傾向にある「大人の近視」について詳しくご紹介します。目の健康は全身の健康にも関わる大切なもの。ぜひ参考にしてください。
目の仕組みはカメラと同じ原理
私たちの目は精巧なカメラのような仕組みになっています。
- 角膜と水晶体は「レンズ」の役割
- 虹彩は光の量を調整する「絞り」の役割
- 網膜は映像を捉える「フィルム」の役割
水晶体を支える毛様体筋という筋肉は、伸び縮みすることで水晶体の厚さを変え、ピントを調節します。目の奥行きの長さ(眼軸長)とレンズの厚みでピントの合う距離が決まり、網膜に映った映像は視神経を通じて脳に伝わります。
また、まばたきをするたびに涙が出ることで、角膜や結膜(目の表面の粘膜)に水分や栄養を補給し、目をうるおして保護しています。これらの機能が連動して「ものを見る」ことが可能になるのです。
近視増加の原因
近年、世界的に近視が急増しています。従来は「大人になれば近視の進行は止まる」と言われていましたが、最新の研究では近視が強い人は大人になってからも眼軸が伸び、近視が進みやすいことがわかってきました。
近視増加の主な原因は3つ:
- 屋外で過ごす時間の減少
- 睡眠時間の変化(睡眠が「短く」・「遅く」)
- スマホ・タブレットなどの長時間使用

強度近視のリスク
近視が強くなると、失明につながる網膜剥離や眼底出血などの眼疾患のリスクが高くなることも報告されています。
強度近視の場合の眼疾患リスク:
- 白内障:5倍
- 緑内障:14倍
- 網膜剥離:22倍
目に優しい生活7か条
近視を予防・進行を抑えるためには、日常生活での工夫が大切です。
- 1日2時間、週14時間は屋外で過ごしましょう
- テレビを見る・本を読む・スマートフォンを使用するときには
- 部屋を明るく、部屋の明かりに加えてデスクライト等も使用しましょう
- なるべく度の緩い眼鏡を使用しましょう
- デスクワークするときには
- 正しい姿勢で座れるように椅子や机の高さを調節し、正しい姿勢で座りましょう
- 寝転んで本を読んだり、スマートフォンを使用しない
- 片方の目にだけ負担がかかってしまいます
- 近くを見ることが続いたら、休憩して遠くを見たり、外を見たりしましょう
- 規則正しい睡眠、規則正しい生活リズムを習慣にしましょう
- 睡眠は十分にとりましょう
目の体操もおすすめ!
目の疲れを取るには、定期的な目の体操も効果的です。
- 上下を見る
- 左右を見る
- 目を寄せる
- 目をくるくる回す
- 遠くを見る

この体操を毎日行うことで、目の筋肉をリラックスさせ、疲れを軽減することができます。正しい知識と習慣で目の健康を守りましょう。