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血圧脈波検査の重要性 – 血管の健康を可視化する
今回は、多くの方にとってあまり馴染みがないかもしれない「血圧脈波検査」について、その意義やメリットをお伝えしたいと思います。
血圧脈波検査とは
血圧脈波検査(CAVI検査やABI検査とも呼ばれます)は、血管の硬さや詰まり具合を調べる非侵襲的な検査方法です。両腕と両足首に血圧計のカフを巻き、それぞれの部位での血圧と脈波を測定することで、動脈硬化の程度や末梢動脈疾患のリスクを評価します。
検査自体は約5分程度で終わり、痛みもなく、特別な準備も必要ありません。血圧測定と同じような感覚で受けられる簡便な検査です。
なぜ血圧脈波検査が重要なのか?
1. 動脈硬化の早期発見
動脈硬化は「サイレントキラー」とも呼ばれ、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、この段階で発見できれば、生活習慣の改善や適切な治療で進行を遅らせることが可能です。血圧脈波検査は、まだ症状が現れていない段階での動脈硬化を検出できる貴重な検査なのです。
2. 心筋梗塞や脳卒中のリスク評価
動脈の硬化度や血流の状態は、心筋梗塞や脳卒中といった重大な疾患のリスク判定に役立ちます。検査結果が基準値を超えている場合、これらの疾患のリスクが高まっている可能性があり、早期に治療等の対応が求められます。
3. 全身の血管状態を一度に評価
この検査では、腕と足の血管状態を同時に検査するため、全身の動脈の状態を概観することができます。これにより、特定の部位に限らず、全身の血管健康状態を把握することが可能です。
4. 無症状の末梢動脈疾患の発見
足の血管が狭くなる末梢動脈疾患は、初期には症状が出にくいものです。この検査では、足の血流状態も評価するため、まだ症状が現れていない末梢動脈疾患を発見することができます。
血圧脈波検査を受けるべき方は?
以下のような方は、特に血圧脈波検査を受けることをお勧めします。
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方
- 喫煙習慣がある方
- 家族に心筋梗塞や脳卒中の既往歴がある方
- 40歳以上の方
- 肥満や運動不足など、生活習慣に課題がある方
- 健康診断で血圧や血液検査に異常がみられた方
検査結果をどう活かすか?
血圧脈波検査で異常値が出た場合でも、すぐに慌てる必要はありません。結果は医師との相談の上で解釈し、必要に応じて以下のような対策を考えていきましょう。
- 食事改善:塩分や脂質の摂取を控え、野菜や魚を多く取り入れる
- 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化する
- 禁煙:喫煙は血管に大きなダメージを与えるため、禁煙が重要
- ストレス管理:慢性的なストレスも血管に悪影響を与えます
- 必要に応じた薬物療法:医師の指導のもと、適切な治療を行う
まとめ
血圧脈波検査は、見えない血管の状態を可視化する検査です。特に自覚症状のない段階での動脈硬化を発見できることが大きな特徴で、将来的な心血管疾患のリスク低減に役立ちます。
当診療所では健康診断のオプション検査として血圧脈波検査を用意しています。ご自身の血管年齢や血管の健康状態を知り、より充実した健康管理にお役立てください。検査についてご質問がある方は、お気軽にスタッフにお尋ねください。